基礎知識

キュービクル架台とは?かさ上げ・浸水対策と特注製作のポイント【千葉・房総】

工場やビル、商業施設の受変電設備であるキュービクル。更新や増設のタイミングでは、「既存の基礎に新しいキュービクルが合わない」「浸水対策で設置位置を高くしたい」「屋外なのでサビに強い架台にしたい」といった、架台まわりの課題が必ず出てきます。

本記事では、キュービクル架台の役割から、高さの決め方、防錆、固定方法、特注製作で押さえておきたいポイントまでをまとめました。千葉県君津市で製缶板金加工を行う株式会社アガツマが、現場で実際に相談の多い内容をもとに解説します。

キュービクル架台とは

キュービクル架台とは、キュービクル式高圧受電設備を地面や床、屋上から持ち上げて固定するための鋼製の台です。主な役割は次の4つです。

  • 浸水・冠水から設備を守る:大雨や高潮のときに、受電設備が水に浸かるのを防ぎます。
  • ケーブルの引き込みスペースを確保する:キュービクル下部からケーブルを引き込むための空間をつくります。
  • 荷重を受け止め、確実に固定する:重量のある設備を支え、地震時の移動や転倒を防ぎます。
  • 点検性と通気を確保する:底面に空間をつくることで湿気や結露を抑え、点検作業もしやすくなります。

架台は目立たない部材ですが、受電設備が止まれば工場や施設全体が止まります。設備を長く安全に使うための「土台」として、設計段階からきちんと考えておく必要があります。

架台の高さはどう決める?

架台の高さは、主に次の3つの条件から決まります。

  • 浸水想定:ハザードマップで想定される浸水深を確認し、それより上に設備の底面がくるように設定します。
  • ケーブルの曲げ半径:太い高圧ケーブルは急に曲げられないため、下部から引き込む場合は、必要な曲げ半径を確保できる高さが必要です。
  • 点検時の作業性:高く上げるほど、扉の開閉や点検作業のための足場が必要になります。

かさ上げ量が大きくなる場合は、点検用のステップや歩廊、手すりを架台と一体で計画すると、あとから追加工事をせずに済みます。当社では架台と同時に、ステップ・はしご・歩廊もまとめて製作できます。
合わせてこちらのコラムもご確認ください。
>>点検用歩廊とは?工場の安全基準を満たす設置・修繕のポイント
>>特注 はしご・タラップ 設計・製作サービス

また、高くするほど重心が上がり、地震時に揺れやすくなります。高さのある架台では、ブレース(筋かい)の追加や部材サイズの見直しで剛性を確保します。

屋外設置での防錆:溶融亜鉛めっきか焼付塗装か

屋外に設置するキュービクル架台は、雨風や紫外線に長期間さらされます。特に千葉の湾岸部や房総の沿岸部では、塩害への備えが欠かせません。

屋外向けでは、溶融亜鉛めっき(ドブめっき)が基本の選択肢です。部材の内側まで亜鉛の皮膜で覆われるため、長期間サビから守れます。ただし、めっき後に溶接を行うと皮膜が傷んでしまうため、現地でボルト接合する箇所や分割位置を、設計の段階で決めておくことが大切です。

屋内や、外観の色をそろえたい場合は焼付塗装も選べます。防錆方法の違いは、溶融亜鉛めっきと焼付塗装の違い|防錆方法の選び方で詳しく解説しています。

耐荷重とアンカー固定、既設基礎への合わせ込み

キュービクルの重量は、変圧器の容量や機器構成によって大きく変わります。架台は、設備の重量と重心の位置を確認したうえで、チャンネル材・H形鋼・アングル材などの部材を選定します。

更新工事で特に多いのが、「既設のコンクリート基礎やアンカーボルトの位置と、新しいキュービクルの取付穴が合わない」というケースです。基礎を壊してつくり直すと工期も費用もかかりますが、既設アンカーに合わせた架台を製作し、その上に新しいキュービクルを固定すれば、基礎はそのまま使えます。架台が新旧の寸法の「変換台」の役割を果たすわけです。

屋上に設置する場合は、防水層を傷つけないよう、置き基礎と組み合わせた架台にするなど、建物側の条件にも配慮が必要です。

既製品では合わないケースと特注製作の考え方

キュービクル架台は、次のような条件があると既製品では対応しきれず、特注製作が必要になります。

  • 更新前後でキュービクルの寸法や取付ピッチが違う
  • 増設で隣接スペースが狭く、決まった寸法に収める必要がある
  • 搬入経路が限られ、分割して現地で組み立てる必要がある
  • 停電作業の日程が決まっていて、納期をずらせない

当社では、現地での採寸や手書きのスケッチをもとに図面を起こすところから対応しています。図面がない段階でもご相談いただけます
>>図面なしから製缶加工を依頼する際のポイント

キュービクル架台の製作をアガツマに任せるメリット

設計から製作・塗装まで一貫対応

当社は、設計・切断・曲げ・溶接・塗装までを社内で一貫して行っています。キュービクルの寸法や重量、設置場所の条件をうかがったうえで、3D CADで構造を検討し、製作図に落とし込みます。工程ごとに外注先を探す必要がないため、窓口が一本化され、納期とコストのムダを抑えられます。
>>最大6mまで!設計・製缶板金加工・溶接・塗装を一貫対応

板厚2〜16mm、最大6mまでの架台に対応

ファイバーレーザー加工機で鉄なら最大22mmまで切断でき、架台に使う厚板部材も社内で加工できます。板厚2〜16mmの厚中板を得意とし、最大6mクラスの架台まで製作可能です。
>>千葉・房総エリアの板厚2〜16mm 厚中板 製缶板金加工の小回り対応力

設置環境に合わせた防錆仕様の提案

3m四方以上の塗装ブースと大型の乾燥炉を備え、焼付塗装まで社内で仕上げます。屋外向けには溶融亜鉛めっき仕様にも対応し、設置環境に合わせて最適な防錆方法をご提案します。

千葉県内なら短納期・現地対応も

当社は千葉県君津市に拠点を置き、京葉臨海工業地帯や房総エリアの現場にすぐ伺える距離にあります。現地採寸からの対応はもちろん、千葉・房総エリアでは条件次第で翌日納品も可能です(参考:千葉県内 溶接 特急対応サービス)。停電作業日が決まっている更新工事でも、日程に合わせて段取りします。

電気工事会社様の「架台だけ」のご依頼も歓迎

キュービクル本体はメーカー手配、架台は別手配という案件も多いと思います。当社は一点ものの架台から対応していますので、架台やステップ、ケーブル保護カバーだけのご相談もお気軽にどうぞ。

設備を支える架台・ベースの製作事例

キュービクル架台と同じく、重量のある設備を支える架台・ベースの製作事例をご紹介します。

事例1:プラント向け架台(溶融亜鉛めっき仕様)
プラント向け架台
  • 材質:SS400/サイズ:H600×1000
  • 加工方法:切断、穴あけ、溶接、仕上げ加工

溶融亜鉛めっきを施したアングル材・チャンネル材を切断・穴あけ・溶接して製作しました。過酷なプラント環境でも、長期にわたって耐食性を保てる仕様です。屋外に設置するキュービクル架台にもそのまま応用できる構成です。

事例2:インフラ業界向け制御盤スタンド
インフラ業界向け制御盤スタンド
  • 材質:ステンレス/サイズ:1100×400×300
  • 加工方法:レーザー⇒バンドソー⇒溶接(半自動)⇒耐熱塗装

耐久性が求められる現場で使う制御盤スタンドです。溶接で歪みが出やすいステンレスを、プレス機やジャッキで丁寧に矯正し、指定寸法どおりの精度に仕上げました。仕上げには特殊な耐熱塗料を使用しています。

事例3:アングル架台(1日で納品)
アングル架台
  • 材質:ステンレス/サイズ:300×300×300
  • 加工方法:切断→穴あけ→溶接→仕上げ

「2日以内に特注の架台がほしい」というご依頼に対し、アングル材の切断から溶接・仕上げまでを行い、1日で納品しました。工事日程が迫っている案件にも対応できます。

事例4:装置取付ベース(マウント架台)
装置取付ベース
  • 材質:SS400/サイズ:300×300×200/板厚:16mm
  • 加工方法:レーザー加工→溶接→焼付塗装

装置の土台となるマウント架台です。厚板をレーザー切断・曲げ・溶接で箱型に組み、高い剛性を持たせました。重量物を確実に支えるベースの製作例です。

そのほかの事例は架台の製品事例一覧からご覧いただけます。

まとめ

キュービクル架台は、浸水対策・ケーブルの引き込み・耐震固定・点検性という、受電設備を安全に使い続けるための役割を担っています。更新工事では、既設基礎との寸法差や工期の制約から、特注での製作が必要になる場面が少なくありません。

株式会社アガツマでは、千葉県君津市の自社工場で、キュービクル架台をはじめとする設備架台を、図面のない段階から設計・製作・塗装まで一貫して対応しています。架台の仕様に迷っている段階でもかまいませんので、お気軽にご相談ください。

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