設計提案事例
緊急通路用歩廊の特注製作事例
お客様のお困りごと
お客様の課題:製造ラインをまたぐような緊急通路用の歩廊設置が急務
今回の事例は、当社のWEBサイトをご覧になった食品メーカー様からの「歩廊の製作はできますか」とお電話をいただいたことがきっかけでした。お客様は、複数の製造ラインを保有されておりますが、火災などの緊急時の避難経路などに課題を抱えており、指摘を受けてしまっておりました。製造ラインをまたぐように歩廊を設置することで、緊急避難経路を確保できないかということで当社にご相談いただきました。
図面設計や寸法確認のため、現場訪問させていただくと、食品を扱う工場という特性から様々な課題が見えてきました。
第一の課題が、材質選定です。本工場様は扱う食品の特性上、金属がとくに腐食しやすい環境でございました。
第2の課題が、搬入通路の狭さです。現場は搬入口が非常に狭いため、クレーン等の大型重機を運び込んでの作業が不可能な環境でした。
そして、第3の課題が組立・据え付けです。食品工場の稼働を止め、設置に費やすことのできる時間はたったの1日でした。
弊社からのご提案

解決策:アルマイト材製の特注歩廊を溶接レスで製作。設計、製造、現場設置まで一貫対応いたしました。
ご相談を受け、当社では現地調査から設計、製作、そして現場での据付工事まで、すべて一貫対応にて引き受け、無事に課題を解決いたしました。
①現場の観察から生まれた「アルマイト×ステンレス」のハイブリッド提案
設計・材質選定において、最大の壁は腐食対策でした。当初はステンレスを検討しましたが、現場の環境はステンレスですら腐食しかねない環境でした。
そこで弊社の技術者が注目したのが、現場で唯一錆びずに耐えていた「アルマイト製」の既存手すりでした。アルマイト材はコストこそ上がりますが、この環境下では最高の防錆性能を発揮します。
しかし、アルマイト材には「溶接ができない」という製造上の弱点があります。そこで弊社は、溶接に頼らず、高精度なボルト締結による「完全分割構造」を提案し、設計いたしました。これにより、同時に狭い搬入口という課題を解決し、搬入口から部材を手運びで搬入し、現地でパズルのように組み立てる計画を立てました。
②異物混入を防ぐ「緻密な設計」と「一貫体制」
製作段階では、食品工場特有の衛生基準を最優先しました。 部材同士やボルトの干渉によって金属粉が発生したり、ボルトが脱落して異物混入の原因とならないよう、3D CADを用いて数ミリ単位の「緻密なクリアランス調整」を施しました 。
- 仕様: 2300×1200mm、板厚4mmのアルマイト材(本体)とステンレス(手すり)のハイブリッド仕様 。
- 技術: レーザーによる高精度切断とベンダーによる精密曲げを駆使し、自社工場で仮組み・検証を繰り返しました 。
③わずか1日で完遂したスピード設置
納品当日、事前に解消していた干渉チェックの成果が実を結びました。部材一つひとつを分解した状態で搬入し、階段5列を含む構造体を現地で迅速に組み立てました 。
事前の綿密な設計と計画により、現場での調整作業を最小限に抑制。目標通り、わずか1日で設置・固定までの全工程を完遂し、工場の翌日稼働に影響を与えることなく、安全な避難経路を実現しました 。
弊社は、単なる「図面通りに作る工場」ではありません 。今回のような重機不可の狭小地や、特殊な衛生管理が求められる現場においても、設計から現地設置までワンストップの一貫体制で解決策をご提案します 。