基礎知識
製缶公差とは?設計の際の製缶公差のポイントも解説!
製缶加工は、産業機械や建築構造物など、多岐にわたる分野で不可欠な技術です。この製缶品を設計・発注する際、避けて通れないのが「製缶公差」を考慮することが必要です。
今回は、設計のポイントも踏まえ、「製缶公差」について解説いたします。
製缶公差とは?
製缶公差とは、製缶製品において、製品の「仕上がりの寸法」や「形状」が、設計図面に対して許容される誤差の範囲を定めたものです。一般的な板金加工が単一部品の寸法を扱うのに対し、製缶加工では複数の部品を溶接で接合するため、溶接によるひずみや収縮が大きく、公差の管理がより複雑になります。製缶公差は製品の図面に±の横に数字として記載されています。ものづくりでは、実際に製品を製作すると図面と一定の誤差が発生します。公差とは部品の寸法や形状が目標値からどれくらいズレても許されるか、という「許容される誤差の範囲」のことを指します。
なぜ製缶公差の理解が重要なのか
タンクや架台などの製缶部品は、一般的に溶接によって複数の部材を組み合わせて作られます。通常の寸法公差(例: 縦100mm±0.1)は、個々の部品の大きさを指定しますが、溶接の熱による変形や、部品同士の組み付け誤差、そして溶接後の残留応力によって、全体の形状や位置に大きな誤差が生じる可能性があります。この誤差が大きすぎると、他の部品との取り付けや、製品としての機能に悪影響を及ぼします。そのため、全体の平面度、直角度、位置度といった、形状や姿勢、位置関係に関する許容誤差を厳密に指示するために、幾何公差と同様に、製缶品特有の厳しい基準である製缶公差が必要となります。
製缶公差の基準とは?JIS規格についても解説
かつて、日本国内にはJIS Z 3400「溶接構造物の一般公差」という規格が存在していました。しかし、生産のグローバル化や国際的な品質基準との整合性を図るため、このJIS規格は廃止されました。現在は溶接構造物に対する公差基準として、国際規格であるISO 13920がそのまま日本のJIS規格として制定・採用されています。ISO 13920は、図面に個別の公差指示がない場合でも、溶接構造物に必要な最低限の品質レベルを確保するために活用されます。
1. 規定する範囲
ISO 13920は、以下の3つの主要な公差について具体的な許容値を定めています。
- 寸法公差:構造物全体の長さや部品間の距離の許容誤差。
- 角度公差:部材同士が交わる角度の許容誤差。
- 幾何公差:真直度、平面度、位置度といった、形状や姿勢の許容誤差。
2. 公差等級の活用
この規格では、製造上の難易度に応じて4つの公差等級(A級、B級、C級、D級)が設けられています。
製缶品を発注・製作する際、図面で個別に厳密な公差値を指示しない場合でも、ISO 13920 B級などのISO 13920の等級を指定するだけで、必要な製作精度を明確に示すことができます。これは、発注側と製作側の間で品質に関する認識のズレを防ぐ、非常に重要なポイントです。
製缶公差のポイント
株式会社アガツマは、高い精度が要求される精密板金加工から、大型の製缶品まで幅広く対応しております。お客様の製品の機能とコスト要求に応じて、JIS規格に基づいた最適な公差を提案することが可能です。製缶品における公差は、設計の初期段階で決定すべき重要な項目です。当社では、図面が確定する前の構想段階から、3D CADを活用した設計支援を行い、溶接ひずみを考慮に入れた公差の最適化をご提案することで、過剰な公差指定によるコストアップを防ぎ、高品質な製品を適正な価格でご提供いたします。
精密製缶品におけるアガツマの対応力
長年にわたり、様々な業界のお客様の課題に向き合ってきた当社だからこそ、お客様の抱える課題を解決に導くための独自の強みがあります。
1. 図面前・構想段階からの設計提案によるコストダウン
製缶公差の最適化は、設計初期段階が最も効果的です。当社では、お客様のポンチ絵や手書きのスケッチといった構想段階から参画し、3D CADを用いて製品の機能を満たしつつムダを排除した設計をご提案します。厳しい公差設定は品質を向上させますが、同時に過剰品質となり、コスト増加につながる場合もあります。当社ではお客様の製缶品のご要望に設計段階からお答えすることが可能で不必要な精度の指定による追加工や材料費を削減し、QCDバランスの最適化をご提案いたします。
2. 最大6mまで!設計・製缶板金 加工・溶接・塗装を一貫対応
製缶品の公差管理は、切断、曲げ、溶接、仕上げ、塗装の全工程を通して行う必要があります。当社は、最大6mまでの大型製缶品にも対応可能で、設計から、製缶、高品質な焼付塗装までをワンストップで完結させます。工程間の移動や外注による品質のバラつきがなくなり、結果として、より精度の高い製缶品を安定してご提供できます。
3. 豊富な製造実績による設計段階からのご提案
当社は、月間1000種類以上の多品種少量生産の実績があり、多岐にわたる業界の複雑な要求に応えてきました。この経験により、通常では難しいとされる厚中板(板厚2〜16mm)の精密な曲げや溶接のノウハウを蓄積しています。他社で「公差が厳しすぎる」と断られた大型で複雑な製缶品についても、対応が可能です。
製缶品の製作なら千葉・房総 製缶板金加工 .comにお任せください
製缶品の公差選定は、設計品質と製造コストを決定づける非常に重要なプロセスです。JIS規格の適用はあくまで基準であり、最終的な品質は、設計意図を理解し、溶接のひずみを熟知した加工業者の技術力にかかっています。「千葉・房総 製缶板金加工.com」を運営する株式会社アガツマは、お客様の求める機能とコスト目標を深く理解し、設計支援から大型製缶品の一貫対応、高品質な焼付塗装まで、お客様の多様なニーズに応える技術力と対応力を兼ね備えています。「図面通りに加工すると高すぎる」「適切な公差等級が分からない」といった製缶公差に関する具体的な相談内容は、ぜひお気軽にお問い合わせください。