基礎知識

コストダウン塗装

溶剤焼付塗装と粉体塗装の違いとは?屋内用製品なら「溶剤焼付×一貫対応」でコストダウン!

溶剤焼付塗装と粉体塗装の違いとは?

製品の表面処理において、塗装は外観品質(意匠性)だけでなく、防錆や耐久性といった機能性を左右する重要な工程です。金属製品の塗装では、主に「溶剤塗装(焼付塗装)」と「粉体塗装」の2種類が用いられますが、コストと品質のバランスを最適化するには、それぞれの特性を正しく理解し、使い分けることが不可欠です。

溶剤焼付塗装の特徴(メリット・デメリット)

溶剤塗装とは、顔料や樹脂を有機溶剤(シンナー等)で希釈した液状塗料をスプレーガンで吹き付け、加熱炉で焼き付けて硬化させる一般的な工法です。

メリット
最大の利点は「薄膜で平滑な美しい仕上がり」です。自然乾燥での塗装と比較して、シャープで滑らかな外観が得られます。また、調色が容易なため、指定色や多品種少量生産にも低コストで柔軟に対応できる点が強みです。粉体塗装で必要な洗浄槽や大掛かりな製造ラインが必要ないため、品数の少ない製造にも向いています。

デメリット
塗膜が薄いため、エッジ部分(角)の防錆力確保には適切な下地処理と丁寧な作業が求められます。また、粉体塗装よりも耐候性が劣ります。

遮熱用パネル


粉体塗装の特徴(メリット・デメリット)

粉体塗装(パウダーコーティング)は、粉末状の塗料を静電気で付着させ、高温で溶融・硬化させる工法です。

メリット
「塗膜が厚く強固」な点が特徴です。溶剤塗装よりも膜厚が厚い塗装が可能で、優れた耐候性と防錆力を発揮します。また、溶剤を使わないため環境に優しい(エコ)点も注目されています。

デメリット
膜厚が厚くなる分、繊細な意匠性が出しにくく、ボッテリとした質感になりがちです。また、色替え(段取り替え)に手間とコストがかかるため、多品種少量生産には不向きな側面があります。

屋内用?屋外用?失敗しない塗装工法の選び方

塗装方法を選定する際、最も重要な判断基準となるのが「製品がどこで使用されるか(設置環境)」です。 「とにかく丈夫な方が良い」と、すべての製品にハイスペックな塗装を施すと、不必要なコストアップ(過剰品質)を招いてしまいます。逆に、コストを優先しすぎて環境に合わない塗装を選べば、早期のサビや剥がれといったクレームに繋がります。 ここでは、コストと品質のバランスを最適化するための、プロの視点による使い分け基準を解説します。

屋外設置の製品なら「粉体塗装」がおすすめ

直射日光(紫外線)、雨風、場合によっては塩害などに常にさらされる屋外製品においては、「粉体塗装」が圧倒的に有利です。 前述の通り、粉体塗装は一度の塗装で厚い塗膜を形成でき、樹脂の結合力も強いため、極めて高い「耐候性」と「防錆性」を発揮します。

屋内使用の製品なら「溶剤焼付塗装」でも十分

一方で、工場内の生産設備、検査装置のカバー、屋内用制御盤など、雨風に当たらない環境で使用する製品であれば、「溶剤焼付塗装」で十分な性能を発揮します。 屋内のにおいては、粉体塗装ほどの重防食性能はオーバースペック(過剰品質)となるケースもございます。

「溶剤だと剥がれやすいのでは?」「錆びやすいのでは?」と懸念される方もいらっしゃいますが、自然乾燥ではなく、専用の炉でしっかりと熱を加えて硬化させる「焼付塗装(メラミン焼付やアクリル焼付)」を行えば、表面硬度は高く、キズや薬品にも強い塗膜が得られます。 意匠性においても粉体塗装と遜色なく、滑らかな外観を実現できます。屋内使用において「コストを抑えつつ、意匠性も確保したい」という場合は、溶剤焼付塗装を検討することをおすすめします。

コストを抑えるなら「製缶板金・塗装の一貫対応」が鍵

塗装のコストダウンを検討する際、多くの方が「塗料の単価」や「工法の変更(粉体か溶剤か)」だけに目を向けがちです。しかし、トータルコストを大きく下げるための最も効果的な方法は、「板金加工と塗装を一貫して対応できる企業に依頼すること」です。 工程を分断せず、ワンストップで依頼することで、目に見える輸送費以上のコストメリットと、品質の安定化が得られます。

なぜ「一貫対応」だとコストダウン・短納期になるのか?

通常、製缶板金と塗装を別々の業者に発注する場合、板金工場から塗装工場への「輸送費」が発生します。大型の製缶品であればあるほど、この輸送コストは無視できない金額になります。また、輸送にかかる日程や、両社間のスケジュール調整の手間がリードタイムを長期化させる要因となります。

しかし、一貫対応であれば、これらの輸送費と移動時間はゼロになります。 また、 一貫対応であれば、品質管理が徹底され、万が一の際も迅速な対応が可能になります。結果として、管理工数の削減と安定した品質供給が実現します。

品質の良し悪しを左右する「塗装工程を考慮した設計」とは?

一貫対応の最大の強みは、実は「設計段階」にあります。 塗装の品質やコストは、「塗りやすい形状になっているか」で大きく変わります。

例えば、袋構造になっている箇所は、洗浄液や塗料が溜まりやすく、液ダレや錆の原因になります。また、塗装ラインで吊り下げるための「吊り穴」の位置が不適切だと、塗装作業性が悪くなり、工賃アップにつながります。 塗装設備を持たない場合、吊り穴・マスキングなどの「後工程の都合」を知らずに設計・製作してしまうことが多々あります。

当社では、社内に設計者と熟練の塗装職人がいるため、設計段階から塗装品質を高めつつコストを下げるためのVA/VE提案が可能です。 この「後工程を知る強み」こそが、手戻りをなくし、高品質な製品を安価に提供できる理由です。

当社だからこそ可能な「大型製缶×溶剤焼付塗装」

一般的な板金工場では、小物部品の塗装は社内で対応できても、大型の架台や筐体となると塗装設備に入りきらず、外注せざるを得ないケースがほとんどです。しかし、株式会社アガツマでは、大型製缶板金に特化した設備体制を整えており、製缶から塗装までを真の意味で「社内完結」させることが可能です。

焼付乾燥炉

当社は、最大6mクラスの大型製缶板金の加工実績を多数保有しています。4m×4mや、W5m×L10mといった特大サイズの製品加工にも対応しており、これらを加工するだけでなく、塗装まで一貫して請け負える点が最大の強みです。

社内には、3m四方以上の大型製品に対応可能な「塗装ブース」と、2m×2m×3mの「大型乾燥炉」を完備しています。 これにより、他社では「大きすぎて塗れない」「分割して塗るしかない」と断られてしまうような大物筐体や長尺フレームであっても、継ぎ目のない一体塗装が可能です。大型製品の横持ち輸送は、トラックの手配だけでも高額かつ困難になりますが、当社のワンストップ対応であれば、これらの課題をすべてクリアにし、リードタイム短縮とコスト削減を実現します。

当社の焼付塗装での製品事例をご紹介

架台部品
焼付塗装 架台部品

本製品は、水や洗剤を使用する場面に特化した架台に使用される部品です。材質はSS400で、意匠性と耐久性に優れた青色の焼付塗装が施されています。青色の焼付塗装により、製品に高い意匠性を付与しています。また、焼付塗装による強固な塗膜が、水や洗剤の浸食から部品を保護し、長期にわたる耐久性を実現します。

遮熱用パネル
遮熱用パネル

工場の作業環境改善に向け、建物の天井や外壁を覆う遮熱パネルの製作をご依頼いただきました。本製品は、内部に断熱材を内蔵することで高い遮熱効果を発揮し、工場内の温度上昇を抑制することを目的としています。特に、外壁にも設置されるため、単なる遮熱効果だけでなく、優れた耐久性、防錆性、そして外観品質が求められる案件でした。

お客様のご要望に応じ、製作いたしました。特に屋外使用の過酷な環境を考慮し、焼付塗装を施すことで優れ耐候性、防錆性、そして高品質な外観を実現しております。。

インテリア金具(焼付塗装)
インテリア金具

こちらはインテリア(椅子)に用いられる金具です。レーザーにて切り出し、ザグリ加工を行った後黒色の焼付塗装をしております。焼付塗装にて塗装することで、意匠性が高まります。

製缶品の焼付塗装のことなら千葉・房総 製缶板金加工.comにお任せください

焼付塗装は、製品の耐久性、耐候性、耐薬品性、そして美観を飛躍的に向上させるために不可欠な技術です。適切な塗料の種類を選び、正確な工程と素材ごとの注意点を理解し、ニーズに合った業者を選ぶことが重要となります。

「千葉・房総 製缶板金加工.com」を運営する株式会社アガツマは、大型製缶品の一貫対応から高品質な焼付塗装まで、お客様の多様なニーズに応える技術力と対応力を兼ね備えています。焼付塗装に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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