基礎知識
大型 装置機械フレームの製缶加工・特注製作について
装置機械のフレームとは?
装置機械のフレームとは、あらゆる産業用装置や機械の根幹を成す「骨格」であり、その性能、精度、寿命を左右する極めて重要な構造部品です。フレームの品質が、装置全体の品質を決定づけると言っても過言ではありません。
フレームの主な役割は3つあります。1つ目は、モーターやセンサー等の部品を正確な位置に固定し、装置の「精度」を担保すること。2つ目は、稼働時の振動や荷重に耐える高い「剛性」を確保し、安定稼働を支えること。3つ目は、装置全体の強度を保ち、作業者や周辺環境の「安全性」と「信頼性」を守ることです。
大型フレームの特注製作で直面する3つの課題
大型の装置・機械フレームを特注で製作するプロセスは、標準品を購入するのとは異なり、購買調達担当の皆さまにとって、様々な課題が伴います。サプライヤーの技術力や体制を正確に見極めなければ、品質、コスト、納期のいずれかで問題が発生するリスクも少なくありません。ここでは、特に担当者が直面しがちな代表的な課題を3つのポイントに絞って解説します。
課題1:大型化に伴う加工精度と溶接歪みの管理
まず最大の課題として挙げられるのが、大型製品特有の「精度の維持」と「歪みの管理」です。製品が大きくなればなるほど、材料の自重によるたわみや、加工時の熱による変形が発生しやすくなります。特に、製缶加工の根幹である溶接は、数千℃にも達する高熱を用いるため、冷却・収縮する過程で「溶接歪み」が必ず発生します。この歪みをいかに予測し、抑制するかが、最終的な製品の寸法精度を決定づけます。経験の浅いサプライヤーでは、この歪みをコントロールできず、図面通りの精度が出せない、あるいは歪みを除去するために多大な修正コストや納期遅延が発生するといった事態を招きかねません。
課題2:QCDの最適化と信頼できるサプライヤー選定の難しさ
品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)のバランス、いわゆる「QCD」の最適化は、購買調達担当者にとって永遠のテーマです。しかし、大型フレームの特注製作においては、このバランスを取ることが一層難しくなります。例えば、複数のサプライヤーから見積もりを取っても、各社が保有する設備や得意な加工方法、品質保証体制が異なるため、単純な価格比較が困難です。安価な見積もりを提示したサプライヤーが、実は品質管理が杜撰で、結果的に手直しや再製作で高くつくケースも散見されます。品質、コスト、納期のすべてにおいて、継続的に信頼できるパートナーを見つけ出すこと自体が、非常に重要な課題となります。
課題3:図面のない現物復元や、構想段階からの設計対応
長年使用してきた設備のフレームを交換したいが、製造当時の図面が残っていない。あるいは、新製品開発のためにフレームが必要だが、まだ構想段階で具体的なポンチ絵やラフスケッチしかない。こうした「図面がない」「仕様が未確定」な案件に対応できるサプライヤーは非常に限られます。多くの加工会社は、完成された図面がなければ、見積もりも製作も請け負うことができません。現物から採寸して図面を復元する、あるいは顧客の構想をヒアリングして設計から請け負うといった、高度な対応力を持つサプライヤーを見つけられず、プロジェクトが停滞してしまうことも少なくないのです。
当社の装置・機械向けフレーム製作の特徴とは?
前項で述べた「精度の課題」「QCDの課題」「図面がない等の特殊案件への課題」は、大型フレームの特注製作において多くの購買調達担当者が直面する問題です。しかし、これらの課題は、適切な技術力、充実した設備、そして顧客に寄り添う柔軟な体制を兼ね備えたパートナーを選ぶことで、解決へと導くことができます。
千葉・房総 製缶板金加工.comは、お客様が抱えるこれらの課題を正面から受け止め、設計から塗装まで、すべてを自社で一貫対応することが可能です。
解決策①:ポンチ絵・構想図から実現する設計提案力とコストダウン
「図面がない」「まだ構想段階だ」といった課題に対し、当社は大きな価値を提供します。お客様からいただいたポンチ絵やラフな構想図、あるいはアイデア段階のヒアリング内容に基づき、当社の技術者が3D CADを駆使して具体的な製作図面へと落とし込みます。私たちは単に図面化するだけではありません。製造現場の視点から「ムダ」を徹底的に省いた最適化設計を積極的に行い、オーバースペックな箇所はないか、より効率的な構造にできないか、といったVE/VA提案を通じて、品質を維持・向上させながら、トータルコストの削減を実現します。この設計段階からの伴走力が、お客様のQCD最適化に大きく貢献します。
解決策②:最大6m・特大サイズの実績に裏付けられた大型加工技術
「大型化に伴う精度維持と歪みの管理」という極めて専門的な課題に対しては、当社の豊富な実績と技術力が何よりの答えとなります。当社は最大6mの大型フレーム製作に多数の実績を持つだけでなく、過去には4m×4mやW5m×L10mといった特大サイズの製品を手掛けた経験もございます。これらの経験を通じて蓄積された、溶接順序の最適化や適切な治具の使用、熱による歪みを精密にコントロールするノウハウは、他社には容易に模倣できない強みです。大型製缶品であっても、図面要求通りの高い精度を安定的に確保し、お客様に安心を提供します。
解決策③:設計から塗装までの一貫生産体制によるQCDの最適化
信頼できるサプライヤー選定が難しいというQCDの課題は、当社の「一貫生産体制」が解決します。設計、材料手配、シャーリング、ロール曲げ、製缶、溶接、そして塗装に至るまで、大型フレーム製作に必要なすべての工程を自社で完結させています。外注に依存しないため、工程間のスムーズな連携による納期短縮、中間マージンの排除によるコスト競争力、そして全工程にわたる一貫した品質管理が可能です。特に、3m四方以上の大型塗装ブースと乾燥炉を自社で完備しているため、大型製品の塗装まで含めたワンストップ対応ができます。この体制こそが、高品質・適正コスト・短納期という、お客様が求めるQCDバランスを実現する源泉です。
フレーム品の実績をご紹介
舞台用平台のフレーム

舞台向けの平台のステージです。ベニヤ板などを取り付け、仕切りなどに用います。鉄の角パイプからの製造で、適切な長さに切断、溶接、組み立てを行っています。小さい取付部品はベンダーでZ形に曲げ加工を行い、フレームに取り付けています。
煙突の防熱のためのフレーム・骨組み

煙突の断熱のためのシートを設置するためのフレームになります。
溶接した部分を電解研磨にて仕上げをしております。レーザーで切り出した頭部品の穴あけの部分に、差し込むことで組み立てていきます。
製缶板金加工は千葉・房総 製缶板金加工.comにおまかせください。
いかがでしたでしょうか。
千葉・房総 製缶板金加工.comは、2~4mの厚中板製缶板金製品の設計から製缶板金・プレス加工、溶接組立、塗装までワンストップ対応する、
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ポンチ絵や漫画絵からのご相談も問題ございませんので、お気軽にお問い合わせください。