基礎知識

ポンプの浸水対策は架台でかさ上げ|高さの決め方と特注ポンプ架台のポイント【千葉・房総】

大雨や台風のたびに、「地下の機械室のポンプは大丈夫か」と心配になる設備担当者の方は多いと思います。ポンプが水に浸かって止まれば、建物への給水や生産設備の冷却が止まり、復旧までに長い時間がかかります。

既存の設備のまま取れる浸水対策として有効なのが、ポンプを架台に載せて高い位置に据え付ける「かさ上げ」です。本記事では、ポンプが浸水したときに起きること、かさ上げの高さの決め方、かさ上げ用のポンプ架台に求められる性能までを解説します。千葉県君津市で製缶板金加工を行う株式会社アガツマの製作事例もあわせてご紹介します。

ポンプが浸水すると何が起きるか

ポンプは、モーターの力で水や油、薬液などを送り出す機械です。工場やビルでは、主に次のような用途で使われています。

  • 給水:受水槽から建物の各階や工場内の各所へ水を送ります。
  • 冷却水の循環:チラーや冷却塔と生産設備の間で冷却水を循環させます。
  • 薬液・油の移送:めっきや塗装、洗浄などの工程で液体を送ります。

こうしたポンプは、受水槽や配管とのつながりから、地下の機械室や建物の1階、屋外の低い場所に置かれることが多い設備です。つまり、大雨や高潮のときに真っ先に水が来る場所にあります。

ポンプを動かすモーターは電気品のため、水に浸かると止まってしまいます。そうなると、次のような影響が出ます。

  • 給水が止まる:ビルやマンション、工場全体が断水し、トイレや手洗いも使えなくなります。
  • 冷却が止まる:冷却水を使う生産設備が動かせなくなります。
  • 復旧に時間がかかる:一度水に浸かったモーターや制御盤は、乾かせばすぐ使えるとは限らず、点検や交換が必要になります。水が引いたあとも、部品の手配を待つ間は設備が止まったままです。

浸水そのものは避けられなくても、ポンプが止まらなければ被害は小さく抑えられます。そのための手段が、架台によるかさ上げです。

浸水対策の基本はポンプ架台によるかさ上げ

ポンプ本体とモーターは、軸どうしをカップリングでつなぎ、1枚の鋼製ベース(ポンプベース、共通ベース)の上にまとめて据え付けるのが一般的です。かさ上げでは、このポンプベースごと、床や基礎から持ち上げる「ポンプ架台」を製作し、その上にポンプを載せ替えます。

機械室に止水板を設けたり、設備を上の階へ移設したりする方法もありますが、建物側の工事が大きくなりがちです。架台によるかさ上げなら、今のポンプと配管の配置を大きく変えずに対策でき、ポンプの更新工事に合わせて行うこともできます。

また、ポンプを制御する制御盤も、ポンプと同じ高さまで上げておくことが大切です。ポンプだけ上げても、制御盤が水に浸かればポンプは動きません。当社では、ポンプ架台と制御盤架台をあわせて製作できます。

かさ上げの高さはどう決める?

かさ上げの高さは、主に次の条件から決めます。

  • 想定される浸水深:自治体のハザードマップで、設置場所の想定浸水深を確認します。モーターや電気部品がそれより上にくる高さが目安です。過去に浸水したことがある場所なら、そのときの水位も参考になります。
  • ポンプの吸い込み条件:ポンプは設置する高さによって、水を吸い込む条件が変わります。どこまで高くできるかはポンプの種類や配管の条件で異なるため、設備業者様やポンプメーカーと確認したうえで高さを決めます。
  • 配管のつなぎ直し:ポンプを上げると、吸込側・吐出側の配管の高さも変わります。配管の改造範囲もあわせて確認しておきます。
  • 点検時の作業性:高く上げるほど、点検やメンテナンスのための足場が必要になります。

かさ上げ量が大きくなる場合は、点検用のステップや歩廊、手すりを架台と一体で計画すると、あとから追加工事をせずに済みます。

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かさ上げ用のポンプ架台に求められる性能

高くしても、たわまない・揺れない

ポンプとモーターの軸がずれると、振動や異音が出て、軸受やメカニカルシールの寿命を縮めます。かさ上げで架台が高くなるほど、重心が上がり、運転中の振動や地震で揺れやすくなります。チャンネル材やH形鋼で外周を組み、ブレース(筋かい)や補強材を入れるなど、ポンプの重量と架台の高さに合わせて部材と構造を決めます。

あわせて、ポンプベースの取付面の水平精度も大切です。溶接の熱による歪みを抑え、取付面の平面度を出すことで、据え付け時の芯出しがしやすくなります。

振動を建物に伝えない

ポンプは回転機械なので、運転中は常に振動が出ます。架台の下に防振ゴムやスプリング式の防振材を入れる場合は、取付座の位置や架台の重さも含めて、設計段階で計画しておきます。

既設基礎を活かして確実に固定する

地震時の移動や転倒を防ぐため、架台は基礎にアンカーボルトで固定します。既設のアンカー位置に合わせて架台を製作すれば、基礎を壊さずにかさ上げできます。架台が「既設の基礎」と「上げたポンプ」をつなぐ変換台の役割を果たすわけです。

水に浸かることを前提にした材質・表面処理

浸水対策の架台は、ポンプを守る一方で、架台そのものは水に浸かることを前提に考える必要があります。普段から配管の水漏れや結露で濡れやすい場所でもあるため、設置環境に合わせて材質と表面処理を選びます。

  • 溶融亜鉛めっき(ドブめっき):浸水や湿気の多い場所、屋外では基本の選択肢です。部材の内側まで亜鉛の皮膜で覆われるため、水に浸かったあとも錆びにくく、千葉の湾岸部や房総の沿岸部など、塩害が心配な場所にも適しています。めっき後に溶接すると皮膜が傷むため、ボルト接合する箇所は設計段階で決めておきます。
  • ステンレス:水や洗剤、薬液を扱う現場など、さらに耐食性が必要な場合に選びます。
  • 焼付塗装:屋内の機械室で、まわりの設備と色をそろえたい場合などに選びます。

防錆方法の違いは、溶融亜鉛めっきと焼付塗装の違い|防錆方法の選び方で詳しく解説しています。

ポンプのかさ上げ架台をアガツマに任せるメリット

現地採寸から設計・製作・塗装まで一貫対応

当社は、設計・切断・曲げ・溶接・塗装までを社内で一貫して行っています。ポンプの寸法や重量、既設基礎の状態、必要なかさ上げ高さをうかがったうえで、3D CADで構造を検討し、製作図に落とし込みます。工程ごとに外注先を探す必要がないため、窓口が一本化され、納期とコストのムダを抑えられます(参考:最大6mまで!設計・製缶板金加工・溶接・塗装を一貫対応)。

厚板を使った剛性の高い架台に対応

ファイバーレーザー加工機で鉄なら最大22mmまで切断でき、架台に使う厚板部材も社内で加工できます。板厚2〜16mmの厚中板を得意とし、最大6mクラスの架台まで製作可能です(参考:千葉・房総エリアの板厚2〜16mm 厚中板 製缶板金加工の小回り対応力、設備情報)。

水に強い仕様の提案

3m四方以上の塗装ブースと大型の乾燥炉を備え、焼付塗装まで社内で仕上げます。浸水や湿気が心配な場所には溶融亜鉛めっき仕様、水まわりにはステンレスなど、設置環境に合わせて最適な仕様をご提案します。

千葉県内なら短納期・現地対応も

当社は千葉県君津市に拠点を置き、京葉臨海工業地帯や房総エリアの現場にすぐ伺える距離にあります。現地採寸からの対応はもちろん、千葉・房総エリアでは条件次第で翌日納品も可能です(参考:千葉県内 溶接 特急対応サービス)。台風シーズン前に対策を済ませたい場合や、設備を止められる日が限られている工事でも、日程に合わせて段取りします。

ポンプと制御盤の架台をまとめて相談できる

ポンプ本体はメーカー手配、架台は別手配という案件も多いと思います。当社は一点ものの架台から対応しています。ポンプ架台に加えて、制御盤架台や点検用ステップもまとめてご相談いただけます。

設備を支える架台・ベースの製作事例

ポンプのかさ上げ架台と同じく、重量のある設備を支え、水や湿気に強い仕様が求められる架台・ベースの製作事例をご紹介します。

事例1:プラント向け架台(溶融亜鉛めっき仕様)
プラント向け架台
  • 材質:SS400/サイズ:H600×1000
  • 加工方法:切断、穴あけ、溶接、仕上げ加工

溶融亜鉛めっきを施したアングル材・チャンネル材を切断・穴あけ・溶接して製作しました。過酷なプラント環境でも、長期にわたって耐食性を保てる仕様です。浸水や湿気が心配な場所に置くポンプのかさ上げ架台にも、そのまま応用できる構成です。

事例2:装置取付ベース(マウント架台)
装置取付ベース
  • 材質:SS400/サイズ:300×300×200/板厚:16mm
  • 加工方法:レーザー加工→溶接→焼付塗装

装置の土台となるマウント架台です。厚板をレーザー切断・曲げ・溶接で箱型に組み、高い剛性を持たせました。運転中に振動が出るポンプやモーターを、高い位置で支えるベースにも同じ考え方で対応します。

事例3:格子状 架台・フレーム
格子状 架台・フレーム
  • 材質:SS400/サイズ:300×1500×50
  • 加工方法:切断→溶接→仕上げ

溶接の順序と位置決めを工夫して歪みを抑え、図面どおりの寸法精度と水平度を実現したベース架台です。ポンプとモーターの芯を合わせて据え付けるベースに求められる精度の参考になる事例です。

事例4:インフラ業界向け制御盤スタンド
インフラ業界向け制御盤スタンド
  • 材質:ステンレス/サイズ:1100×400×300
  • 加工方法:レーザー⇒バンドソー⇒溶接(半自動)⇒耐熱塗装

耐久性が求められる現場で使う制御盤スタンドです。溶接で歪みが出やすいステンレスを、プレス機やジャッキで丁寧に矯正し、指定寸法どおりの精度に仕上げました。ポンプと一緒にかさ上げしたい制御盤の架台の参考になる事例です。

事例5:水や洗剤を使う現場向けの架台部品
水や洗剤を使う現場向けの架台部品
  • 材質:SS400/サイズ:250×200×高さ150/板厚:6mm
  • 加工方法:レーザー、溶接、焼付塗装

水や洗剤を使う場面に特化した架台の部品です。焼付塗装による強固な塗膜で、水や洗剤による浸食から部品を守ります。水漏れや結露で濡れやすいポンプまわりの架台を検討する際の参考になる事例です。

そのほかの事例は架台の製品事例一覧からご覧いただけます。

まとめ

ポンプが水に浸かって止まると、給水や冷却が止まり、復旧までに長い時間がかかります。既存の設備のまま取れる浸水対策として、ポンプ架台によるかさ上げは有効な方法です。高さは想定浸水深とポンプの吸い込み条件から決め、架台には高くしても揺れない剛性と、水に強い表面処理が求められます。制御盤もあわせて上げておくことで、設備全体を守ることができます。

株式会社アガツマでは、千葉県君津市の自社工場で、ポンプ架台・制御盤架台をはじめとする設備架台を、図面のない段階から設計・製作・塗装まで一貫して対応しています。浸水対策をどこから始めればよいか迷っている段階でもかまいませんので、お気軽にご相談ください。

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