基礎知識

アルミ溶接にも対応可!設計から加工、塗装、組立まで一貫対応いたします。

アルミは軽量でサビにくく、強度が高いといった優れた特徴を持つため、現在では様々な部品や材料として広く使用されています。切断や曲げ、切削など多様な加工が可能ですが、溶接に関しては特有の性質から難易度が高いとされています。
高品質なアルミ溶接を実現するためには、アルミの特性を深く理解し、適切な加工技術を把握することが不可欠です。

アルミ溶接はなぜ難しい?

アルミの溶接が難しいとされる理由は複数あります。主な要因は以下の3点です。


•融点が低い

アルミの固体が溶け始め液体に変わる温度である溶融点は660℃です。これは鉄や銅の1000℃以上と比較すると低めです。これは、ステンレスや鉄などの代表的な金属に比べて融点が低く、融点が低いことは溶接熱に融けてしまうという弊害があるため、溶接時には母材がすぐに溶け落ちてしまう可能性があります。


•酸化皮膜に覆われている

アルミの表面は空気に触れると酸化し、薄い酸化皮膜を形成します。この酸化皮膜の融点は約2000℃と非常に高く、アルミ自体の融点(660℃)よりも1300℃以上も高くなります。酸化皮膜が残ったまま溶接しようとすると、皮膜が溶ける頃には内部のアルミは既にドロドロに溶けてしまい、作業が困難になります。また、溶加材を入れても表面がダマになったり、酸化皮膜を巻き込んで溶接部分に黒い斑点ができる恐れがあります。


•熱伝導率が良い

アルミは金属の中でも熱伝導率が高いため、溶接時の熱が部材全体に広がりやすい性質があります。これにより、溶接部分が溶け始める頃には、部材全体が高温になってしまいます。部材全体の温度が上がることで、溶接部分の溶けるスピードが次第に速くなるため、作業者の高い溶接技術が求められます。さらに、熱伝導率の高さは熱による歪みを引き起こしやすい原因でもあります。


これらの特性に加え、アルミは溶接割れ(凝固点付近で発生する高温割れ)やブローホール(素材内の小さな空洞)ができやすいという問題点もあります。特に薄いアルミ板の溶接は、母材が溶け落ちやすくなるため、より一層難しさが増します。

アルミ材の製缶加工が求められる理由

アルミニウムは、鉄鋼材料と比較して約1/3という軽量性を持ち、その軽さから、重量削減が求められる自動車、鉄道車両、航空機といった輸送機器分野で広く採用されています。車体の軽量化は燃費向上に直結し、航空機においては積載量の増加や運行コストの削減に貢献します。また、建築分野では、建物の軽量化による耐震性の向上や、デザインの自由度を高めるために、カーテンウォールや屋根材、構造部材として利用されます。

さらに、アルミニウムは優れた耐食性を有しており、表面に自然に形成される強固な酸化皮膜が、錆の発生を防ぎます。この特性から、屋外で使用される構造物、船舶、さらには化学プラントにおけるタンクや配管など、腐食環境に晒される用途で重宝されます。特に、海水の塩分に強いことから、船舶部品や海洋構造物にも積極的に用いられています。

アルミの溶接がファイバーレーザーによって可能!

千葉・房総 製缶板金加工. comを運営する株式会社アガツマでは、この「難しい」とされるアルミ溶接を、ファイバーレーザー溶接機を導入することで可能にしました。

ファイバーレーザー溶接機がアルミ溶接を可能にする理由とそのメリット

ファイバーレーザー溶接は、従来の溶接方法では困難であったアルミ材の加工において、以下のような顕著なメリットをもたらします。

高エネルギー密度による精密な熱制御
ファイバーレーザーは非常に高いエネルギー密度を持つため、狙った箇所に集中的に熱を投入できます。これにより、アルミの低い溶融点に対応し、母材が溶け落ちるリスクを大幅に低減しながら、迅速かつ精密な溶接が可能です。

酸化皮膜の克服
レーザーの特性により、融点の高い酸化皮膜を効率的に破り、その下のアルミ母材を直接溶融させることができます。これにより、酸化皮膜の巻き込みによる品質低下や、表面のダマ発生を防ぎ、高品質な溶接部を実現します。

熱影響の最小化と歪み抑制
高速で溶接を行うため、熱が部材全体に広がるのを抑制し、熱影響部(HAZ)を最小限に抑えることができます。これは、アルミの熱伝導率の高さに起因する熱歪みの発生を抑制し、製品の寸法精度を高く保つ上で非常に有効です。

高品質な溶接と欠陥の低減
安定した溶接プロセスにより、溶接割れやブローホールといった内部欠陥の発生リスクを低減し、機械的強度に優れた溶接部を形成します。

株式会社アガツマでは、このファイバーレーザー溶接機を駆使することで、お客様が求めるアルミ材の製缶板金加工において、これまで諦めていた複雑な形状や高い精度が要求される製品の製作を実現いたします。アルミの特性を深く理解し、適切な設備と長年の経験を持つ当社だからこそ、高品質なアルミ溶接を提供いたします。

当社が選ばれる理由

大型の製缶加工に一貫対応

当社では、設計から製缶板金加工、溶接、塗装、組立、搬送までを社内で一貫して対応できる体制を整えています。これにより、各工程の外注が不要となり、納期の短縮や品質の安定化を実現しています。特に、最大6mまでの大型製缶板金加工を得意としており、過去には4m×4mやW5m×L10mといった特大サイズの製品加工にも対応した実績があります。大型部品の加工には高い精度と経験が求められますが、熟練した技術者がこれらのニーズに応え、安定した品質を確保しています。

ポンチ絵。漫画絵から設計製造可能

当社は、お客様のアイデア段階や構想段階からのサポートに強みを持っています。お客様が描かれたポンチ絵や漫画絵といったラフスケッチを基に、3D CADを駆使して製品設計を行うことが可能です。効率と品質のバランスを重視した最適な設計提案を行い、「ムダ」を省いた設計によるコストダウンも実現します。他社で断られた複雑な設計の大型製缶品でも、設計段階からの見直しを含めたトータルサポートで、製造可能な形へと導きます。


アルミの特性を理解し、適切な技術と設備、そして豊富な経験を持つ当社であれば、難しいとされるアルミ溶接を含む製缶板金加工も対応可能です。お客様のご要望に柔軟に対応し、高品質な製品をお届けいたします。

アルミの製缶品は当社にお任せください!

本コラムでは、アルミの優れた特性と、その一方で溶接加工における特有の難しさについて詳しく解説いたしました。軽量性、錆びにくさ、高強度といった魅力を持つアルミは、自動車、航空機、建築、海洋構造物など、様々な産業分野でその採用が拡大しています。しかし、その低い溶融点、高融点の酸化皮膜、高い熱伝導率といった特性が、アルミ溶接の難易度を高める要因となっていました。

株式会社アガツマは、これらの課題に対し、先進のファイバーレーザー溶接機の導入と、長年培ってきた製缶板金加工の豊富な経験、そして熟練の技術力で応えております。

アルミの製缶加工、製缶品をご検討されているお客様はぜひ一度ご相談ください。