基礎知識

製缶板金加工

【特注製作】アングル架台の溶接・組立のポイント

アングル架台①

プラント設備の根幹を支える製缶品には、一般的な金属加工とは比較にならないほどの規模と、過酷な環境に耐えうる耐久性が求められます。本記事では、プラント業界における製缶加工の重要性から、求められる必須能力、外注分断の課題とリスク、株式会社アガツマだからこそ可能な一貫対応の特徴、そして実際に行っている製品事例まで、詳しく解説いたします。

アングル架台とは?

アングル架台とは、L字状に成形された「アングル材(山形鋼)」を主部材として組み上げられた支持構造物の総称です 。産業用装置、電気・空調設備、プラント配管など、多岐にわたる分野で「機器を支える土台」や「部材を固定する支持具」として極めて重要な役割を担っています

アングル架台の定義と主な用途

アングル架台の最大の特徴は、そのL字形状が生み出す高い剛性と加工のしやすさにあります 。主な用途は以下の通りです。

  • 電気・空調設備の支持: 屋上や機械室において、エアコンの室外機、分電盤、制御盤、太陽光パネルなどを基礎や建物躯体に強固に固定するために使用されます 。
  • プラント・工場内の設備支持: 複雑に張り巡らされた配管やダクト、振動を伴う回転機器、大型のホッパーやタンクを安定して設置するためのフレームとして不可欠です 。
  • 建築資材・インフラ設備の支持: 橋梁、船舶の構造部材、あるいは工場内の歩廊(キャットウォーク)を支えるための強固な骨組みとして、社会インフラの安全を底辺から支えています 。
代表的な形状と材質の選定基準

アングル材には、L字の二辺の長さが等しい「等辺山形鋼」と、長さが異なる「不等辺山形鋼」があり、設計上の強度バランスや設置スペースに合わせて使い分けられます 。また、使用環境に応じて最適な材質を選定することが、製品の長寿命化には不可欠です

  • 鉄(SS400など)
    最も一般的でコストパフォーマンスに優れています 。ただし、酸化(錆)しやすいため、用途に合わせて「錆止め塗装」や「溶融亜鉛めっき(ドブメッキ)」、さらには耐久性の高い「焼付塗装」を施すことが一般的です 。

  • ステンレス(SUS304/SUS316など
  • 優れた耐食性と衛生面を誇ります 。沿岸部のプラント、食品加工工場、薬品を扱うクリーンルームなど、厳しい腐食環境下での使用に適しています 。

  • アルミニウム
    鉄の約1/3という軽量性を持ち、錆びにくいため、軽量化や放熱性が求められる場面で選ばれます 。
規格品と特注品の違い:なぜ現場では「特注アングル架台」が必要とされるのか?

市場にはホームセンター、通販サイトで入手可能な規格品、メーカ品のアングル架台も存在しますが、現場では、そのほとんどが「特注品」として設計・製作されます 。

規格品では対応できない主な理由は、現場特有の制約にあります。プラントや生産工場において、架台を設置したい場所が更地であることは稀で、既存の大型機械、入り組んだ配管、ダクト、電気配線などの「障害物」を避けなければなりません 。既製品ではミリ単位の寸法調整が不可能であり、無理に設置しようとすれば作業効率の低下やメンテナンスへの支障、最悪の場合は安全性に重大な欠陥を招きます

そのため、現場の状況に完全にフィットする「特注アングル架台」が必要となります 。これには、既存のアンカー位置に合わせた設計や、複雑なレイアウトを跨ぐ特殊形状への対応、さらには耐震強度計算に基づいた部材の選定など、一品一様のオーダーメイド対応が極めて有効な手段となります

特注アングル架台製作における「溶接」のポイント

特注アングル架台の品質と強度、精度を決定づける核心工程が「溶接」です。複数の部材を接合して立体構造を構築するため、材料特性と熱影響を熟知した高度な技術が求められます

歪み(ひずみ)の高度な制御

大型架台や長尺フレームの製作では、溶接時の熱による「歪み」の管理が最大の課題です 。溶接は局所的に数千℃の熱を加えるため、冷却過程で部材の反りやねじれが不可避に発生します 。特に全長数メートルに及ぶ製品では、わずかな歪みが先端部で大きな寸法誤差となり、据付不全を招くリスクがあります 。熟練技術者が溶接順序を最適化し、拘束治具を適切に使用して熱入力を精密に制御することで、平面度や直角度といった幾何公差を厳密に確保します

用途に合わせた最適な溶接手法の選定

材質や板厚、要求性能に応じて最適な手法を使い分けます。

  • TIG溶接(精密・美観)
    不活性ガスで溶接部を保護し、スパッタの発生を抑えて緻密で美しいビードを形成します 。ステンレス製架台において耐食性を維持し、意匠性を高める場合に多用されます 。

  • 半自動溶接(高効率・厚物)
    ワイヤーが自動供給され、中断なく連続作業が可能なため高い生産性を誇ります 。鉄製の厚中板架台や溶接線が長い大型構造物で、強固な接合強度を確保するために不可欠です 。

  • ファイバーレーザー溶接(低歪み・高精度)
    エネルギー密度が高く局所的な加熱が可能なため、熱影響部を最小限に抑えられます 。従来は困難だった薄板ステンレスの「反り」を劇的に抑制し、高精度な仕上がりを実現するとともに、作業時間の短縮(30分以上の削減実績)にも貢献します 。
全周溶接による構造強度の最大化

過酷な振動や高荷重が加わるプラント用架台などでは、接合部の剛性が製品寿命に直結します 。必要に応じて接合箇所を「全周溶接」することで、高負荷環境下でも耐えうる極めて強固な構造を実現します

現場での利便性を高める「組立」の工夫

アングル架台の製作において、現場での据付作業をいかにスムーズに進められるかは、設計・組立段階の工夫に大きく依存します 。株式会社アガツマでは、お客様の現場環境やメンテナンス性を考慮し、溶接だけに頼らない多様な組立手法を提供しています

ボルト類を駆使した「溶接レス」組立への対応

架台は必ずしも全ての箇所を溶接して一体化すれば良いわけではありません。設置場所の火気厳禁ルールや、将来的な機器の更新・移設を考慮し、あえてボルト類を駆使した連結構造を採用することがあります 。 このボルト組立式には、搬入経路が限られた狭小な現場でも、部材を分割して運び込み、現地で確実に組み立てられるという大きなメリットがあります 。また、錆や腐食が発生しやすい環境において、部分的な部材交換や分解・再組立を容易にする設計は、設備の長寿命化とメンテナンスコストの削減に直結します

株式会社アガツマだからこそ可能な「一貫対応」の強み

特注アングル架台の製作において、お客様の管理工数削減とコスト最適化を同時に実現するのが、株式会社アガツマの「一貫対応」体制です。設計・製缶板金加工・溶接・塗装・組立・発送までの全工程を自社で完結させているため、外部業者への依頼に伴うリスクを徹底的に排除しています

設計から発送まで外注なしのワンストップ体制

当社では、複数の協力会社を介することで発生する「工程間の空白(待ち時間)」や、煩雑なスケジュール調整、横持ち輸送のコストをゼロにしています 。一社が最終品質まで一貫して責任を持つため、塗装工程での不具合を防ぐために設計段階から塗料の乗りやすい形状を提案するなど、部門間の密な連携が可能です 。これにより、高い品質管理レベルを維持しつつ、千葉県内であれば当日電話発注・当日製作・翌日納品といった劇的な短納期対応も実現可能です

最大6mの大型対応と3mの自社乾燥炉

当社の設備力は、特に大型製缶品の一貫製作において大きな優位性を持っています 。最大6mサイズの大型フレーム製作に多数の実績があり、重量物を安全に反転させるクレーン設備も完備しています 。 また、自社内に3m四方以上の塗装ブースと、2m×2m×3mの大型乾燥炉を保有している点は、他社にはない大きな強みです 。多くの塗装業者では対応が難しい3mクラスの大型架台であっても、分割することなく一気に「溶剤焼付塗装」を施すことが可能です 。焼付塗装は自然乾燥に比べて塗膜が非常に硬く、密着性に優れているため、過酷な環境下での長寿命化に大きく貢献します

図面なし・ポンチ絵からの設計製作サポート

「老朽化した架台を更新したいが図面が残っていない」「まだ構想段階でラフな絵しかない」といったご相談にも柔軟に対応いたします 。 お客様からいただいた手書きのポンチ絵や写真、あるいは腐食した現物を採寸し、3D CADを用いて精密な製作図面へと落とし込む「リバースエンジニアリング」が可能です 。単に元の形を再現するだけでなく、現場でのメンテナンス性や設置のしやすさを考慮した形状変更や、最適な材質選定など、製造現場の視点からのVE提案を積極的に行っています

アングル架台の製作実績をご紹介

アングル架台
アングル架台

本事例は、建築向けのアングル架台です。

お客様より2日間で特注の架台を納品してほしいと依頼いただきました。
弊社にてアングル材を用いて、切断、穴あけ、溶接、仕上げを行い、1日で納品いたしました。

センサーブラケット
センサーブラケット

センサーを取り付けるためのブラケットです。上部の穴の部分にセンサーを取り付けます。複数の固定穴で、都度最適な位置に移動可能な機能になっています。

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プラント向け架台
プラント向け 架台

ドブメッキを施したアングル材、チャンネル材へ切断、穴あけ、溶接をおこない、製作いたしました。ドブメッキ(溶融亜鉛めっき)により、過酷なプラント環境下でも長期にわたる耐食性を確保しています。

当社では、プラント向けの架台や配管などの納入実績が豊富で、過酷な環境下でも耐久性を保つために最適な設計・加工が可能です。

千葉・房総エリアで特注アングル架台の設計・製作・組立なら、千葉・房総 製缶板金加工.comにお任せください

アングル架台は、単なる支持金具ではなく、あらゆる産業用装置や社会インフラの安全稼働を根底から支える極めて重要な構造体です 。しかし、現場の複雑な配管や既存設備を回避するための「特注品」の調達には、詳細な図面の作成工数や、加工・塗装・組立を別々の業者に手配する煩雑な管理業務といった多大な負担が伴います

「千葉・房総 製缶板金加工.com」を運営する株式会社アガツマは、こうした設計担当者様や調達担当者様が抱える課題に対し、設計から製缶板金加工、高度な溶接、耐久性を高める焼付塗装、そして最終的な組立と発送までを一貫して自社で完結させる「ワンストップ生産体制」でお応えします 。お気軽にご相談下さい。