基礎知識
半自動溶接とは?半自動溶接のメリット、デメリットを解説!
半自動溶接とは?
「半自動溶接」とは、溶接機器から溶接ワイヤーが自動で供給され、溶接トーチの操作は作業者が手動で行う溶接方法を指します。
「半自動」と呼ばれるのは、ワイヤーの供給は機械が自動で行うものの、実際に溶接を進める作業は人の手によって行われるためです。これにより、手作業に比べて効率が良く、また自動溶接のように全てを機械任せにするよりも、柔軟な対応が可能になります。
半自動溶接のメリット
半自動溶接には、以下のような多くのメリットがあります。
メリット1:作業効率が高い
半自動溶接は、溶接ワイヤーが自動で供給されるため、手溶接のように溶接棒を頻繁に交換する手間がありません。これにより、一度溶接を始めると中断することなく連続して作業を進められるため、大幅な時間短縮に繋がります。特に、長い溶接線や大量の部品を溶接する際には、その効率性の高さが顕著に表れ、作業時間の短縮は、そのまま生産性の向上、そしてコスト削減に直結します。
メリット2:初心者でも扱いやすい
手溶接(被覆アーク溶接)と比較して、半自動溶接は比較的技術習得が容易だと言われています。溶接ワイヤーの送給速度や電圧などの条件を設定すれば、安定したアークを維持しやすく、均一なビード(溶接跡)を形成しやすいためです。熟練した技術を必要とする手溶接に比べ、短期間のトレーニングで基本的な操作を習得できるため、溶接経験が少ない方でも比較的早く現場で活躍できるようになります。
メリット3:多様な材料に対応可能
半自動溶接は、使用するシールドガスや溶接ワイヤーの種類を切り替えることで、様々な種類の金属材料に対応できる汎用性の高さも大きなメリットです。具体的には、建築や車両などで幅広く使われる軟鋼はもちろんのこと、錆びにくく衛生的な特性を持つステンレス、そして軽量で加工が難しいとされるアルミニウムなど、多種多様な金属の溶接が可能です。これにより、一つの溶接機で幅広いニーズに対応でき、様々な製品の製造に活用することができます。
半自動溶接のデメリット
半導体溶接は、多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。
解決策①:設備コストが高い
半自動溶接を始めるには、初期の設備投資が高額になります。溶接機本体に加え、溶接ワイヤー送給装置、シールドガスボンベ、トーチ、そして場合によっては冷却装置など、さまざまな機器を揃える必要があるためです。手軽に始められる手溶接(被覆アーク溶接)と比較すると、どうしても導入費用が高くなります。また、定期的なワイヤーやガスの補充といった消耗品コストも考慮に入れる必要があります。
解決策②:屋外作業に不向き
多くの半自動溶接は、シールドガスを溶接部に供給することで、アーク溶接中の溶融池(溶けている金属のプール)を大気から保護しています。しかし、屋外で風が強い場所では、このシールドガスが風で流されてしまい、十分に溶接部を保護できなくなることがあります。その結果、溶接部に気泡(ブローホール)ができたり、酸化が進んだりして、溶接不良の原因となる可能性があります。そのため、屋外で半自動溶接を行う際は、風防を設けるなどの対策が必要になることがあります。
解決策③:溶接スパッタが発生しやすい
半自動溶接、特にCO2溶接などでは、溶接時に溶けた金属の粒が飛び散る「スパッタ」が発生しやすいというデメリットがあります。このスパッタは、溶接箇所だけでなく、周辺の作業環境や製品にも付着し、美観を損ねるだけでなく、品質に影響を与える可能性もあります。溶接後にスパッタを取り除くための清掃作業が必要になり、追加の工数が発生することもあります。スパッタの発生を抑えるためには、適切な溶接条件の設定や、スパッタ付着防止剤の使用などの対策が求められます。
半自動溶接の仕上げのコツ
半自動溶接の仕上げを綺麗にするには、いくつかのコツがあります。
- 溶け込みの確認: 溶接の際に溶けていないと表面だけ電気が流れている状態になり、盛り上がった状態の仕上がりになります。溶け込みを確認することで、盛り上がりを防ぎ、少し凹んだ仕上がりになり、美しい外観に繋がります。
- トーチの操作: トーチの角度、進行速度、ワイヤーの突き出し長さなどを一定に保つことが、安定した溶接跡を作る上で大切です。一般的には、トーチをやや引き気味に操作する「ウィービング」と呼ばれる動きも効果的です。
千葉・房総 製缶板金加工.comによる半自動溶接
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また、通常の溶接が難しい多種多様な形状の加工も対応可能です。治具作成にも対応しているため、お客様の「このような製品を作りたい」という幅広いご要望に対して、設計・製作が可能です。また、リードタイムが短いため、短納期での対応が可能です。
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半自動溶接の実績をご紹介
モーターベース

フランジ付きタンク

このタンクは、フランジと流路となるニップルを取り付けた製品です。
頑丈なパイプ材に手作業で穴あけ加工を行った後、ニップル、自社で加工した板厚9mmの四角形状のフランジ、蓋を溶接して作成いたしました。
漏れが生まれないように一つ一つ丁寧に溶接を行っております。
製品としては、この後塗装を行い完成となります。
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いかがでしたでしょうか。
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